煌めきの瞬間
「誰か探してんの?」
「キャッ!! 隼人さん!?」
「‥‥キミ、新入生だよね? 俺の事知ってるの?」
「はっ、はい!! 知ってます!!」
嬉しそうな美穂ちゃんの声と、それとは正反対の冷静な声で話す咲坂さん。
わたしと美鈴は、その会話を無言で聞いてた。
「あの‥‥こっちに第一高校の生徒が来ませんでしたか?
春香と美鈴って子なんですけど‥‥」
「ああ、あの二人? さっき慌てて校舎から出ていく姿を窓から見たよ」
「本当ですか?」
「うん。俺を疑ってる?」
「いえっ、そんなつもりは‥‥」
「二人には俺から注意しておくから」
「は、はい‥‥。あの‥‥」
「‥‥ん? なに?」
「あのっ、これから校舎を案内をしてもらえませんか!?」
「えっ?
あ‥‥ごめん。今日は予定入ってるんだ」
「そうですか‥‥それでは、また」
少しの間の後、
一人分の足音が、少し重たげに遠ざかって行った。