煌めきの瞬間


「だから、秘密にしてくれる?」



美鈴……。



必死な瞳で訴える美鈴にコクリと頷いた。


「美鈴がそう思ってるなら、わたしは何も言わないよ。
だから心配しないで?」


「うん……ありがとう」



ほっと肩から力が抜けた美鈴は、柔らかい笑みを見せた。




恋ってよくわからないけど、想いを伝えるだけが全てじゃないんだろうな。


想い続けるだけの恋……

そういう恋もあるんだね。




「あ~あ、隼人が好きって初めて口にしちゃった」


「初めて?」


「うん……今まで誰にも言った事なかったから。
初めて伝えた相手が春香でよかった」



にっこりと笑顔を見せた美鈴の言葉に、胸の奥が喜んだ。


わたしもだよ。

美鈴にそう言ってもらえて凄く嬉しい。




「ねぇ春香、春香にも好きな人が出来たら教えてね?」


「うん。一番最初に美鈴に教えるね!」





わたしもいつか、

恋をしたら……。







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