煌めきの瞬間
「バカ大地、その手を避けろ」
「えっ?」
咲坂さんが首を傾げる大地くんの手をパシッと払い避けてくれた。
よかった……。
ほっと息を吐いたわたしの体に少し酸素が行き届いてく。
「あのなぁ、おまえは春香ちゃんに馴れ馴れしいんだよ」
「そんなことないですよ! ねっ、春香ちゃん?」
「え……、えっと……」
ここで咲坂さんの言葉に同意したら、大地くんに嫌われてるって思われちゃうかな?
変に意識したって思われても恥ずかしいし……。
「バ~カ大地。春香ちゃんを困らせるな!」
「イテッ」
咲坂さんに頭を叩かれた大地くんは、頬を膨らませ自分の頭を撫でた。
美鈴はそんな二人のやりとりを見て、「兄弟みたい」と笑う。
わたしも吊られて笑いそうになると、安藤さんが口を開いた。