Bad Girl~不良少女~
庭も丁寧に手入れされてて、いい香りのする花がたくさん植えられている。
アーチ型の針金につるが巻かれていたり、庭の真ん中には噴水が置かれている。
「こんなとこ住んでるわけ、栗崎のやつ」
うちも周りから見れば結構な邸宅だけど、栗崎の家なんかとは比べ物にならないから、ちょっと悔しくなっちゃった。
階段を上りきるとタイミングよく玄関の扉が開いた。
メイド服姿の女の人が2人、丁寧にお辞儀しながらうちらを向かえてくれた。
「久しぶりだね、奄美さん」
綾村がメイドの2人にそう声をかけると、左側の女性が顔を上げた。
「まぁ、翼さま。お久しぶりですね」
奄美と呼ばれたその女の人は、優しい笑みを見せた。
「ここで1番長く働いてるメイドさんなんだって。奄美絆さん」
「奄美絆です。よろしく」
うちらにも優しく微笑みかけて、どうぞ、と手で示してくれた。
その間に、もう一人のメイドがスリッパを用意してくれている。
「お邪魔します」
綾村の後に続いて、入ろうとしたけど、重要なことを思い出す。
「あ。ねぇ、栗崎いるの?」
奄美さんにそう問いかけると、彼女はちょっといたずらっぽく笑った。
「もしかして、真木稜さんですか?」
「そうだけど……」
こんなところでちゃんと敬語が使えるようなうちじゃないからね。