Bad Girl~不良少女~
今、こんなに栗崎とすれ違いしてて、会いにくいのに、大人の話なんかできるわけない。
「……でも、やらなきゃなんねぇんだろ」
半分ふてくされた感じで香矢に言う。
「親父の指名だからな。やるしかねぇんじゃねぇの」
「……」
覚悟、決めるしかねぇのかな。
うちを守るか、栗崎との関係を守るか、はたまたどちらも守るか。
……こういう家に生まれた使命だって諦めるしかねぇのか?
眉間にしわを寄せて考えるけど、この足りない脳みそじゃどう頑張っても最善策は出てこない。
とりあえず、栗崎のとこ行くしかねぇな。
がばっと椅子から立ち上がって、玄関へ向かったうちを香矢が慌てて追いかける。
「稜っ。どこいくんだよ!?」
「……栗崎んとこ」
靴を履いて、なんだか呆然としてる香矢を振り返る。
「大丈夫。なんとかなるよ」
自分でもどっからくるかわからない自信の笑みとグーサインをして見せた。