Bad Girl~不良少女~
うちが岸田組を出て行ってから、4人そろって顔を合わせたことはなかった。
「え、っていうか……親父たち知り合いなのかよ!?信二いつ戻ってきたんだよ!?哲さんもっ…」
「はいはい、質問は1つずつな」
クスクス笑った信二が自分たちの前に座るように指示する。
居間にいるのは、じいと親父、おばあに母さんと岸田組の3人だ。
三波と香矢は呼ばれてないから降りてきてないみたい。
「そもそも、親父たち面識あったっけ?」
うちが家出したときも、親父たちは特に騒ぎ立てもせず探しもしなかったはず。
連れ戻されたわけでもないから、組長たちと面識があるはずないんだけど。
「いや、俺はねぇよ。親父があるんだ」
親父はそう言いながらじいのほうに視線を移す。
「あぁ。俺らは古い付き合いだよ。長年ここに根張ってるもん同士な」
そうか。
じいと組長が知り合いなら納得がいく。
「お前が家出したときだって、岸田から連絡が入ってたから動かなかったんだよ」
ククっとおかしそうに笑ったじいは、昔を思い出すような目をしていた。
「そうなのか……。それより信二、お前大丈夫だったのかよ!?」
呟くように肯いてから、思い出してちょっと身を乗り出して尋ねた。