Bad Girl~不良少女~



うちが岸田組を出て行ってから、4人そろって顔を合わせたことはなかった。


「え、っていうか……親父たち知り合いなのかよ!?信二いつ戻ってきたんだよ!?哲さんもっ…」


「はいはい、質問は1つずつな」


クスクス笑った信二が自分たちの前に座るように指示する。


居間にいるのは、じいと親父、おばあに母さんと岸田組の3人だ。


三波と香矢は呼ばれてないから降りてきてないみたい。


「そもそも、親父たち面識あったっけ?」


うちが家出したときも、親父たちは特に騒ぎ立てもせず探しもしなかったはず。


連れ戻されたわけでもないから、組長たちと面識があるはずないんだけど。


「いや、俺はねぇよ。親父があるんだ」


親父はそう言いながらじいのほうに視線を移す。


「あぁ。俺らは古い付き合いだよ。長年ここに根張ってるもん同士な」


そうか。


じいと組長が知り合いなら納得がいく。


「お前が家出したときだって、岸田から連絡が入ってたから動かなかったんだよ」


ククっとおかしそうに笑ったじいは、昔を思い出すような目をしていた。


「そうなのか……。それより信二、お前大丈夫だったのかよ!?」


呟くように肯いてから、思い出してちょっと身を乗り出して尋ねた。


< 380 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop