Bad Girl~不良少女~
ハッと我に返ってあたふたしながらポケットからケータイを取り出す。
「どどど…どうしよ!?」
「稜、落ち着け」
「どうって、出なさいよ」
クスクス笑っている母さんに諭されて、深呼吸してピッとボタンを押す。
「も……もしもし」
現在居間にいる全員の目がうちに向いてる。
みんなに背を向けて、忙しく視線を彷徨わせる。
「稜ちゃん?……落ち着いて聞いてね」
やけに重たい口調で、意味ありげな言葉が聞こえる。
「な…なんだよ…」
もしかしたら、うまく行かなかったのか?
ふとそんな考えが過って急激に気分が沈む。
「さっき、親父との話が終わった」
「…おう」
「俺が持てる限りの全部を使って、説得したよ」
相変わらず低めの声はずっとうちの不安を煽る。
「それで…?」
焦る気持ちを抑えきれなくて、結果を促す。
「うん……」
言葉を選んでるのか、言うのを躊躇ってるのか。
いやに長く感じる間があった。