不思議病-フシギビョウ-は死に至る
売店でだらだら過ごしていたら人が増えてきた。
あらかた歴史博物館を回り終わったのだろう。
オレたちは特に欲しいものもなかったので退散する。
「でも、本当に良かったのか?」
あとで心配になったのでリンに尋ねる。
「何がです?」
リンは心当たりのないようだった。
まあ確かにさっきはネタみたいなものだったが、本当に欲しいものがあるのなら買ってあげたくなった。
「欲しいものはなかったのか?」
「……別にありませんよ」
やっぱりいらない心配か。
「……ナオキさん、何か買ってくれるんですか?」
「まあ、ちょっとそのつもりだった」
ちょっとだが、リンがどんな反応をするか見てみたくなった。
「じゃあ、今度にしてもらいますね」
「……あんまり高いものはダメ」
「あたし焼肉がいいなあ」
「誰がサヤにおごるって言った」
そういうのはエイヤにたかっとけ。
「俺に振るな」
「まだ何も言ってないじゃん」
エイヤは釘を刺していた。
「そろそろ集合の時間ですよ」
リンが腕時計を確認して言った。
ちなみにオレはスケジュールをまったく聞いていなかっので、周りに合わせるつもりだった。