不思議病-フシギビョウ-は死に至る
食事中は終始無言だった。
オレたちは食事に集中していた。
オレは二膳を完全に食べ終える。
そして口を拭き、一息ついた。
……とりあえず、突っ込もう。
「なんで一言もしゃべんないんだよッ!」
「落ち着こうよ、ナオキ。ほら、まだ食事中だから」
見たら、確かにリンが食事の最中だ。
オレはまた黙ることにした。
「ごちそうさまでした」
リンが最後に食べ終わった。
その間ずっと黙っていたので。
「何だか無駄に疲れる」
「食事中にしゃべるものじゃないですよ」
リンの正論だが。
「まあマナーは悪くなかったですから、大丈夫ですよ」
「ああ、ありがとうよ」
そんなところをいちいち見なくても。
「じゃあ、これで失礼しますね」
リンが席を立つ。
「ちょっと待てよ!」
「……なんですか?」
リンは孤立しているのか……なんて本人に聞けるわけがない。
それにほかにも話したい事がある。
――リンの寂しい姿なんて見たくないから。
だけどオレは、明確な呼び止める理由を思いつけなかった。
「……なんでもない」
なんでもないなんてよく言えたものだと後悔する。
何言ってんだ、オレはリンが心配なんじゃないか。
何を……。
「……ありがとうございます」
リン……。
「ほら、もう集会の時間はすぐですよ」
言われて辺りを見渡す。
確かに人がはけてきていた。
「ああ、いそご……」
向き直ると、リンはいなかった。
もう行ってしまったようだった。