不思議病-フシギビョウ-は死に至る


オレは藤沢と共に部屋に戻っていた。

部屋の連中はすでに集会場へ向かう準備を整えていた。

「何時くらいに行くー?」

一人が言ったので、藤沢が腕時計で時刻を確認する。

オレもケータイの時計を確認する。

デジタル表示は19:40。

あと十分はくつろげるだろう。

そうオレは思ったのだが、

「――そろそろ出たほうがいいんじゃないかな」

藤沢はオレの意と反した事を言った。

「いくらなんでも早すぎるだろ」

藤沢の腕時計が間違っているかもしれない。

だから、藤沢にケータイの画面を見せる。

けれど藤沢は、ううん、と首を横に振った。

「……集まるのは駐車場の横の建物、って言えばわかるよね」

藤沢の言わんとすること。

さっきの駐車場まで行くのに、

……あの階段を上らなくてはいけないのか。

考えただけで疲れる。





日がほとんど沈み、薄い明かりの中でオレたちは階段を上っていた。

「……重労働だ」

「いや、言ってないでさ、上ろうよ」

二人して運動不足な部活なので、息が上がっていた。

そもそも下りでつらかった階段の上りが楽なわけがない。

自然と会話が少なくなっていった。





やがて、オレたちは上りきった。

疲労が喜びへと変わるような気がする。

「……やった、やったぞ!」

「……やったね!」

二人は疲れながらも、互いの功績を褒めあう。

「せっかく上ったんだから、記念撮影しよう」

「いやいや、しないよそんなの」

「やっほー!!」

「だからしないって」

オレはまだ階段途中の生徒を眼下に叫びまわった。

あとで担任に呼び出されたのは言うまでもない。


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