不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「藤沢ー!藤沢ー!」
呼んでみるが、返事がない。
くそっ、先に帰りやがった。
どうしてもオレ一人で真っ暗な階段を下りていかなくちゃいけないのか。
……。
恐る恐る一歩踏み出す。
そして、どこかに足が着いた。
……このままでは誰かこけたときに危なくないか?
下までみんな転がっていくぞ。
しかし、案外誰も転ばないものだった。
いや、本当は暗くて状況がわからないだけかもしれない。
目では見えないが階段の幅が狭くなっている。
昼間は段なんて見てなかったから気がつかなかった。
――そんなことを考えていたら、足が滑った。
「どうわっ!!」
なんとか一段下で踏みとどまる。
変な声が出たとか気にしている場合ではない。
「……危ない危ない」
「……ナオキさん?」
暗くてよくわからないが、その声は。
「……リン。いたのか」
「はい」
返事は徐々に近づいてきて、リンの影が見えた。
「大丈夫ですか?……変な声出していましたけど」
それはまるでオレが格好悪いみたいじゃないか。
「……暗くて他人の声を聞き間違えたんじゃないのか?」
「聴覚に視界は関係ありません」
その通りだ。