不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「……失礼な人だと思います、ナオキさんは」
そうかもしれない、と自分でも思う。
心配程度のお節介は必要ない。
だけれど、オレはお節介をかけた。
――メンドクサイメンドクサイと言って、中学の頃周りと交わろうとしなかったオレがそこにいた気がしたから。
「飯くらい、みんなで食べたほうがいいだろ」
そうですね、とリンはうなずく。
しかし、それでも、とつなげる。
「……同情なんていりませんよ。自分がみじめになりますから」
それくらい、オレもわかっているつもりだ。
「だけど……」
『そんなリンを見ていられない』と。
そのオレの言葉を、リンは手で遮った。
リンは上を見上げた。
オレもつられて見る。
深い紺。
空が、深い紺で。
星の粒がさんさんと光り輝いていた。
思わず見とれてしまう。
いつもは頭上にある空が人の目を奪うものだなんて、驚きだった。
「私は……」
思い出したように、リンの言葉は続いた。
「私は、これでいいんですよ」
同じ星空を眺めながら、リンは言った。