不思議病-フシギビョウ-は死に至る
サヤの頬が赤くはれているように見える。
それでもあまり大事に至らなかった。
「ふぇ……」
サヤの口から、言葉にならない声がもれる。
サヤの頬に光るものがあった。
「……怖かったあ……っ!」
みんなの前にもかかわらず、サヤはエイヤに抱きついた。
「怖かったよお……!」
するとエイヤは、
「……もう、大丈夫だ……」
そう言って、微笑んだ。
そして、そこには決心した顔があった。
「……俺はお前を守るって、決めたから」
そう言い放った。
しばらくしてサヤは落ち着いた。
しかし、本当によかった。
ちょっと問題があったが、これからはちゃんとした合宿になるだろう。
そう思ったのだが。
「……ちょっといいかね?」
キョウスケがサヤに言う。
その声には何かいつもと違う感情が入っていた。
「サヤ、一体何回殴られたのかね?」
?何でそんなことを聞くのだろう。
「二回、です」
キョウスケは、ふむ、そうか、と言った。
次の瞬間、キョウスケの右拳がエイヤの顔面に入っていた。
「もう一発っ!!」
キョウスケはエイヤの胸倉をつかみ、今度は左拳で顔面を殴った。
不意の攻撃を、まともに受けてしまうエイヤ。