不思議病-フシギビョウ-は死に至る

その覚悟



オレたちは歩いて浜辺まで向かおうとしたんだが、エイヤは違った。

何故か走り出した。

何を思ったのかはオレたちにはわからなかったが、とにかく急いでいた。

それを見て、オレも何故か不安になった。

だから、走った。

オレたちは走る速さを合わせていたが、エイヤは構わず先に行ってしまった。

何があるのかわからない。

ただ、何かあるような気がした。





やがて、浜辺が近くなってきたころ。

「きゃあああああああああああああああああああ!!」

叫び声。

響いた。

その声の主は、サヤ。

とにかく事態は急を要する。

「急ぐぞ……!」

文芸部メンバーの顔が険しくなった。

特にキョウスケは。





浜辺にはいくつかの姿が見えた。

サヤとエイヤと倒れた三人の見るからに柄の悪そうな男たち。

何か一悶着あったようだ。

とにかく、オレは辺りに聞こえるよう声を張り上げた。

「何やってんだ!?」

その声で、男たちが一斉に逃げ出した。

オレは、二人の元に駆け寄った。

すぐに他のメンバーも追いついた。


< 178 / 248 >

この作品をシェア

pagetop