不思議病-フシギビョウ-は死に至る
その覚悟
オレたちは歩いて浜辺まで向かおうとしたんだが、エイヤは違った。
何故か走り出した。
何を思ったのかはオレたちにはわからなかったが、とにかく急いでいた。
それを見て、オレも何故か不安になった。
だから、走った。
オレたちは走る速さを合わせていたが、エイヤは構わず先に行ってしまった。
何があるのかわからない。
ただ、何かあるような気がした。
やがて、浜辺が近くなってきたころ。
「きゃあああああああああああああああああああ!!」
叫び声。
響いた。
その声の主は、サヤ。
とにかく事態は急を要する。
「急ぐぞ……!」
文芸部メンバーの顔が険しくなった。
特にキョウスケは。
浜辺にはいくつかの姿が見えた。
サヤとエイヤと倒れた三人の見るからに柄の悪そうな男たち。
何か一悶着あったようだ。
とにかく、オレは辺りに聞こえるよう声を張り上げた。
「何やってんだ!?」
その声で、男たちが一斉に逃げ出した。
オレは、二人の元に駆け寄った。
すぐに他のメンバーも追いついた。