不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「それは卑怯じゃないのか?」

それだからお前は卑怯者なのさ、とでも言うような目をこちらに向けてくる。

だがオレはこう思う。

「正攻法でサヤが守れないのと、卑怯でもサヤを守るのと、エイヤにとってどっちが正しい?」

もちろん、サヤを守るほうだろ。

お前は誓ったんだ。

お前はサヤを守るって誓ったんだろ。

エイヤは一人でよくがんばった。

だけど、意地になっていないか?

サヤのことを守るのは自分だけだって意地になってはいないか?

そうじゃない。

「同じ文芸部だろ?一緒にいるときくらい助けを求めたっていいんじゃないのか?」

キョウスケはエイヤより強いんだから、きっと戦力になる。

オレだって役に立ってみせるさ。

「どうだ?」

オレは改めてエイヤに聞く。

たった一人、サヤを守り続けてきた男に。





「……わかった」

首を縦に振った。



「よし、それじゃあ早速作戦会議だ」

「……作戦?何のだ」

決まっているだろ。

「今夜中にキョウスケとの決着を着けるんだ」


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