不思議病-フシギビョウ-は死に至る


ナオキ
PN:不惑

「よし、次はだね……」

「もうオレ決定!?拒否権なし!?」

「権利を主張する前に義務を果たしたまえ。……どんな事態でも相手のためになるのなら、黙って受け入れることを」

「誰のためになるんだよこれ!?」

「キョウスケさん以外に誰かいるんですか?」

リンが言った。

「……いない」

「じゃあ納得したまえ」

「できねえ!!」



「で、次はだね……」

反論は認めない!?

まあ、オレはすぐ来なくなるだろう。
そうだ。だから関係ない。



関係ない。

オレは最初から、そう割り切っていたはず。

なのに、少し、寂しい気がした。





「リン君!!キミのペンネームは……」

「すでに決まっています」

「ふむ。……では」

「あたし遠慮しまーす」

「……俺も」





「……ふむ。仕方ない、か」

「え?なんでオレ以外容認すんの?あれ?」

「少しばかり落ち着きを持ちたまえ、ナオキ」

やっぱ納得いかねえ!



空が黄色にも近いオレンジに輝き始めた頃。

「そろそろバスの時間ですね」

リンが言った。

バスはリンと同じだ。

リンの言うとおりなら、今帰ればバス停で中途半端に待つこともないだろう。

それに、オレにはやっぱり早く帰りたい気持ちがあった。

リンと一緒ってのが、気分が乗らないのだけれど。


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