学校では教えてくれない"不倫学"
人間、大人として完成されてしまうと、悩みかたが変わってきます。

たとえば50歳くらいになると、25のときとはとうぜん、感じ方が変わります。

自分の体力も脳細胞も意欲もおとろえてしまいますから、それまでの経験でつちかったやり方で難局を乗りきるようになります。
いわゆる現状維持的な選択です。

かたや、元気で可能性もあって夢もある若い人が、大人のそういうところがイヤになって反抗期に家出をしたりします。

その違いがわからないうちは、いわゆるコドモです。十代はだいたいそうです。

そして、多くの人は、年や経験を重ねることで大人になっていきます。

ですが、いきなりなれるわけではありません。
職場の後輩の悩み相談を受けてながら、「自分も昔はこうだったな」と思ったりしながら、少しずつ大人になっていくのです。

そして、そういう感性を持たなくなったとき、もしくはあまり感じられなくなったとき、大人として完成されるのです。


大人になると、いいことがあります。それは、不倫の恋に悩まなくなることです。

いいイミでも悪いイミでも、「あきらめる」ことが上手になります。

それもそうでしょう、50歳の人が、25歳の人のように、転職するときに会社を選べるでしょうか?
必然的に、あきらめ上手になり、そうすることで「夢はかなわない」と言い聞かせ、自分の心がこわれるのを防ぐわけです。

だからこそ、子どもの夢を「かなうわけない」と言ったりもしてしまうのです。

とうぜん、不倫の恋をしても「一緒になれるとはかぎらないかもな」と思ったりします。
夢がすべてはかなわないと知っているからです。
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