学校では教えてくれない"不倫学"
不倫の恋を引き裂く力は、あなたが思っている以上に強いものです。

離婚してひとつの家庭が壊れるということは、その家庭にかかわる人の人生を大きく、しかも望んでいなかった方向に変えることです。

そんな事態になって、「仕方ない、これも運命だ」とあきらめられるサッパリした人ならばカンタンに離婚してくれますが、そんな人のほうが少ないでしょう。


たとえばもし、あなたが、将来のためにとコツコツ銀行にお金を預けてきたとしましょう。

それが、ある日とつぜん銀行がつぶれたとかで、そのお金が戻ってこなくなったとしたらあなたはどう思いますか?

激しい怒りをおぼえるのではないでしょうか?

不倫の恋でこわされる家庭の人も、おなじキモチなのです。


結婚は、永遠の愛を誓うものです。

しかしそれは、あくまでも結婚の一面でしかありません。
前にも言ったように、結婚は国家のつくった制度なので、法律で守られている側面もあるのです。

それはつまり、結婚が、未来を保証する性格をもっているということです。

となれば、たとえ愛していなくても、けなげに家で待つ奥さんや、マジメに外で働く旦那さんは、守られる存在になります。

落ち度がなければ、法律的に離婚はできないのです。

それが正しいかまちがっているかという話はしません。

ただ、それを知らないで戦うのは、無謀をとおりこして、無茶です。

あなたにとっては、相手に捨てられる人なだけかもしれませんが、相手にとっては文字どおり、生きるか死ぬかの死活問題なのです。

あなたよりもずっと真剣に、そして長い間、相手との人生計画を立ててきたのですから、そうカンタンに、あなたに「あげる」となるほうが異常です。


不倫の恋から一緒になるときは、相手とその家族の人生の重さも、あなたにはのしかかってくるのです。

その人生の重さを知らずに、相手と一生一緒になりたいと考えているならば、どれどけ好きなキモチがあっても、その「恋」は終わりにするべきです。

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