学校では教えてくれない"不倫学"
「この人となら」というキモチはつまり、あなたの夢に必要なパーツを見つけたと思っているということです。

だからこそ、あなたは、今まで経験したことのない執着をし、ガマンをし、一人で戦おうとするのです。

あなたにとって必要だと、あなた「だけ」が感じたからです。
それが他の人に理解できないのも、とうぜんなのです。

「もっとこういう人がいいんじゃない?」と言われても、あなたはもう、「この人じゃなきゃダメ」と決めているのです。

そんな、あなたが文字どおり「必要」だと感じたキモチというのは、そのままにとどめておくことなどできません。

だから、不倫の恋は、理性では止められないのです。

それを手にしないかぎり、終われないと思っているからです。


夢を追いかけるのは、けっしてまちがったことではありません。

まして、他人があなたの夢を描くこともできません。

ですから、あなたが、「この人となら」と思い、行動をしはじめたことそのことは、世間的な善悪は別として、少なくともあなたにとっては、欠かせないものなのです。

しかし、そのために、いつしか、手に入れること自体が目的になり、盗聴器をしかけたくなったり、相手の家庭をメチャクチャにしたくなったりという想いにとらわれてしまっては、本末転倒です。

そこにはもはや、愛などないからです。

なのに、そういった想いにとらわれるということは、「愛」よりも「夢」が大きくなって、「愛」を押しつぶしてしまおうとしているのです。


夢を追いかけるのは、まちがったことではありませんと言いましたが、ひとつだけ、忘れてはいけないことがあります。

相手も相手で「夢」を追いかけているのです。

相手がまだ離婚できていない以上、まだその夢は、目指すべきものであるかもしれなくても、まだその入口にも立っていないのです。

ですから、あなたにはそうでなくとも、相手にはその段階なのに、あなたが盗聴器をしかけたりなんかしたら、あなたのことが夢になるハズもないのではないでしょうか?

あなただけの夢でなく、二人にとっての夢でなければ、それが形になるなんて、それこそ、夢のまた夢なのです。
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