たべちゃいたいほど、恋してる。
「……あ、の…」
「それ」
長いようで短い沈黙の後。
その状況に先に堪えきれなくなったのは優衣の方で。
俯き、自分の足の先を見ながら気まずそうに口を開く。
しかし、それと重ねるようにして龍之介が低く言葉を発した。
やっと聞くことが出来た龍之介の声。
教室からひたすら無言を貫き通していた龍之介の言葉に優衣はばっと顔を上げる。
「それ、どうした」
そう言った龍之介の視線の先にあるのは優衣のスカート。
龍之介の視線が何故ここに向いているのか。
その理由がわからず、不思議そうに首を傾げる優衣。
そして龍之介と同じように自分のスカートを見つめた。
(も、もしかして…!)