たべちゃいたいほど、恋してる。
思い当たったのは一つ。
ここに来る前、教室でクラスメートに言われた攻撃力抜群のあの台詞。
「龍くんもませてる中学生みたいだって思って…」
「ねぇよ」
誰だそんなこと言ったの、と返ってきた即答に優衣はほっと安心した息を吐く。
どうやら違ったようだ。
(よかった…)
龍之介にまでそう言われたら立ち直れないと思っていただけに優衣の安堵の思いは計り知れない。
しかし、そんな優衣とは対照的に龍之介の表情は相変わらず難しいまま。
またしても振り出しに戻ってしまった謎に優衣はますます首を捻る。
そして再び始まる終始無言の時間。
下に見える校庭からは体育の授業を行う一年生の声が聞こえた。