たべちゃいたいほど、恋してる。
龍之介に嫌われたくない。
そう思って優衣は黙りを決め込んだ。
言葉を紡ぐこともしなかった。
否、出来なかった。
しかしそれが、最悪の事態へとことを運んでしまったのだ。
(いらないって…言われちゃう…っ)
もし、龍之介にそう言われたら。
そう考えるだけで体中の震えが止まらない。
カタカタと震える体を両腕で抱き締める優衣。
(あやまら、なくちゃ…)
避けてごめんなさい。
何も言えなくてごめんなさい。
そう伝えなくてはと、優衣はきつく己の拳を握る。
しかしその日、優衣が再び龍之介に会うことは出来なかった。
次の日彼の姿を見たのは翌日のお昼前。