たべちゃいたいほど、恋してる。
「ちょ!龍!?どうしたんだよその怪我!」
ガンッという表現が正しいのではないかと思うほど乱暴に開かれた教室の扉。
それに誰よりも早く反応し声を上げたのは健で。
慌てたように発したそれは、昼休み間際に登校してきた龍之介へ向けられた言葉。
それに対して龍之介は不機嫌そうに眉を寄せた。
しんと静まり返った教室にいる生徒達は、黙り込んだまま龍之介の姿を凝視している。
目を合わせる者は一人もいないのだが。
「あ?…ちょっとやりあっただけだっつの。いつものことだろ」
心配する健の様子に顔を顰め面倒臭そうに溜息を吐く龍之介。
そんな龍之介に健は更に言葉を強める。
「ちょっとどころの話じゃないだろ」