たべちゃいたいほど、恋してる。




怯えながらも健の言葉にうんうんと必死に頷いているクラスメートたち。


健の言う通りだ。

龍之介の姿を見るかぎり、それが"ちょっとした"喧嘩だったとは到底思えない。


見える限りでも昨日まではなかった真新しい傷が龍之介の体の至るところに刻まれ、顔には大きなガーゼ、腕には包帯が巻かれていた。


これを"ちょっとした"怪我だというのなら保健室などいらないだろう。


龍之介でこの怪我だ。

喧嘩をした相手はどれほどの重傷を負ったのだろうか。


クラス全員の疑問だったがそんなことを聞けるような雰囲気はないのは一目瞭然である。


最近はこういった龍之介を見ることが減ってきていたため、クラスメートたちも驚いているようだ。



そんな龍之介を見て、優衣が心配しないはずがない。




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