たべちゃいたいほど、恋してる。




そんな優衣の行動に、龍之介は嬉しそうに安心が滲み出たような笑みを浮かべると、摘んでいた鼻を話し頬へと唇を滑らせる。


柔らかで真っ白な優衣の頬。

その柔らかさに思わず食べたくなる衝動をぐっと堪える龍之介。


そんな龍之介に気付くはずもない優衣は、頬にあたる唇の擽ったい感触に身を捩りながらも恥ずかしそうに口元を緩めた。


ふわふわと流れる空気。


そんな甘い雰囲気の中。


突然龍之介の頭にある話が過った。


それは昔、父親から何度も聞かされた話。


もう大分昔のことだが、父親が自分を寝かしつけるために幾度となく話してくれたそれを龍之介は何故か今鮮明に思い出して。




「…狼ってさ…ずっと一匹の雌を愛し続けるんだと」




知ってた?と龍之介は唇を離し優衣に問い掛ける。




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