たべちゃいたいほど、恋してる。
優衣が精一杯の思考回路でどうすべきか考えている間に途切れたコール音。
同時に電話の向こうから聞こえた声は紛れもなく龍之介のもので。
その声に今まで考えていたことが全てぶっ飛び、真っ白になる優衣の頭。
『……誰?…嫌がらせか』
どうしていいのかわからず言葉を発することが出来ない優衣の耳に龍之介の冷たい声が届く。
低く紡がれたその言葉に優衣は慌てて携帯を耳にあてた。
「あっ違…!あ、あああの!ゆ、ゆゆゆ遊佐…で、す」
手に汗を握りながら震える声で言葉を紡ぐ優衣。
『……あぁ、遊佐か。どした?』
なんとか名前を告げれば納得したように頷く龍之介の声が聞こえた。