colors
何着かを桜さんに買ってもらってランジェリー店を出ると、辺りはもう薄暗かった。
隣をみると何故か桜さんは嬉しそうに笑っていた。


「・・・ご機嫌ですね」


私が話しかけると、桜さんはうれしそうに笑って振り返った。


「だって朱嘉ちゃん、いつも遠慮してばかりでなかなか一緒に買い物行かないじゃない?だから今日一緒に買い物できてとっても嬉しいの」

「……」


私は桜さんの顔が見れなくてうつむいたけど、それを桜さんは許さなかった。


「…っ」

「朱嘉ちゃん、確かに私はあなたの本当の母親じゃないわ。
でもね?私も白良さんも千草君も、あなたを本当の家族だと思っているの。
だから今日みたいにねだったり甘えてくれたほうが嬉しいの。
わがまま言ったり、文句いったりしたっていいのよ?
私たちは、もっとあなたと仲良くしていきたいの。」


桜さんのその言葉と、真剣な表情に私は言葉を無くした。


わかってる。わかってるんだけど…
桜さんは私の顔をみて、少し哀しそうに笑うと手を離した。


「もちろん、急にだなんて言わないわ。でも、覚えていてね?」


桜さんはそう言うと、私の手を引いて歩きだした。



「桜さん・・・」

「なぁに?」


私は桜さんの数歩後ろを歩きながら話しかける。


「友達が・・・出来たんです」

「え?」


桜さんが驚いて私を見た。


「その子たちは、私が昔、何をしていたのか知っても・・・友達だって言ってくれたんです」

「まぁ・・・」

「だから・・・いつか家に連れてきても、いいですか?」


ぎゅっと握っていた手を握り締めて返事を待つと、ふわっと頭に手が置かれた。


「もちろんよ。・・・朱嘉ちゃん。よかったわね」


私が顔を上げると、そこには優しくて暖かい笑顔があった。

あぁ…母さんの笑顔と一緒だ…

私は泣きそうになるのを必死になってこらえた。


「はい・・・」

「さぁ、帰りましょっ!白良さんと千草君が待ってるわ」


桜さんは元気にそういって、私の手を引いた。
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