SugarⅠ
「せーんぱいっ♪」
「何してるの…涼君」
「何って…先輩待ってたに決まってるっしょ!」
満面の笑みであたしを見ている。
そんな涼君から目を離し、自分の席へ行って帰る準備を始めた。
「涼君部活は?」
「後から行く。」
「だったら行きなよ、あたしも帰るから。」
そう言って、準備し終えたカバンを持って、涼君を見た。
「ねぇ、先輩。」
いつもと違う涼君の声に、違和感を感じる。
いつもは見ないような、真面目な顔をしている涼君。
「俺さ…」
ゆっくりと歩み寄って来る涼君に比例し、あたしも後退りをする。
あれ…?
涼君っていつも自分のこと俺って言うんだっけ?