だって君が好きだから。
「…キョーちゃん遅ーい」
ん?誰かな?
私服の女の子が校門の前で
キョロキョロしている。
わっ、目会った。
あたしはパッと視線を反らす。
「…あの、ごめんなさい。」
「あっ、はい!
なっ、なんでしょうか?」
あたしは慌ててそう言うと
クスッと笑う女の子。
なんてゆーか、美少女…。
綺麗な黒の長い髪の毛が
よく似合う顔立ちだな。
「修は…あっ、神崎 修いる?」
…修?
修になんの用なのかな?
「修は、バイトだから
もう帰りました。」
「そっか、帰っちゃったんや。
バイト先ってこの近くかな?」
なんでそんなことまで…
この女の子は誰?
……もしかして、
鈴夏さんなのかな?
「バイト先はここから
15分くらいです。」
「どんなお店?」
「ガソリンスタンドです」
「そっか!
あなたが修の友達で良かった。
助かったわ、ありがとう。」
所々関西弁が混ざっている。
ってことはやっぱり?
「あっ!恭平じゃない?」
キョーちゃん、戻ってきたんだ。
女の子はキョーちゃんを見て
目を輝かせていた。