線香花火
綾乃は嫌な視線や"押さないで!"なんて声なんてお構いなしでどんどん前に進んで行く。
そのたび周りの女の子に睨まれるあたしはたじたじ状態…
(女の子達が怖いよ~)
綾乃「ほら、着いたよ。」
気がつくと人だかりの中から抜け出していて、バスケをしている選手達が見える。
その中には、一際目立つ人がいた。
千夏「わぁっ」
それはバスケの苦手なあたしでも分かる。凄く上手。
綾乃「ほら、あれだよ。今ドリブルしてる人。」
するとその人はチラッと一瞬こっちを見る。
"キャー"、"カッコイイー"などと黄色い歓声が響く。
千夏「あっ」。
ボールは綺麗に弧を描いてゴールに向かう。