お子ちゃま☆彼氏

あれ? 私ってば何でこんなに海里が心配なの?

母性本能?

それとも…?

｢いっただきま～す｣

テーブルに置いた2人の力作の何のヘンテツもないただのカレー。

でも海里は初めて目にするように、目がキラキラと輝いてる。

｢オレ。家でカレー作ったのも初めて。食べたのも初めて!!｣

そう言うときれいな仕草で一口すくって口に入れた。

｢おいし～い。おいしいよ、夢ちゃん。すごいね、すごいね。カレーっておいしいんだね｣

本当においしそうに食べる海里に、私も一口食べてみたが、いつもと同じ"いわゆる"カレーだった。

喜んでくれてうれしいのに、私の心は複雑で、ちょっとだけ海里との距離を感じた瞬間だった。