ストレンジソルト
エミは音のない闇の中にいた



お父さんお母さんは気づかなかった…


いや


きづけなかった


乳幼児は未発達なものが多く、ある程度成長してからじゃないとわからない事がでてくる


エミもそのパターンだった



耳に障害があった


家に帰って詩音はお母さんにこう言われた


「エミは音が聞こえないんだって詩音はお母さんの声聞こえる?」


すると詩音は元気に

「聞こえるよ

だってお母さんの声うるさいもん!!」

と答えた

お母さんは少し黙ってから少し悲しそうな笑顔で
「よかった……


本当だね

ちゃんと聞こえてるんだね」


と答えた



詩音は

「わたしは耳が聞こえてよかったの?


エミは耳が聞こえないからだめなの?」


と返した
詩音は話の内容がわからなかったなりに頑張ってお母さんに返事を返した





お母さんは少し黙ってから

「だめじゃないよ……

全然だめじゃないよ」

と言った

言った後でお母さんの目には涙が貯まっていた。


エミは疲れたのか居間の絨毯ですやすや寝ていた。詩音もその隣にごろんとしてエミのほっぺをツンツンしたり髪の毛をいじったりと一通りのイタヅラをしてからいつのまにか寝ていた



そんな二人の寝顔をみてお母さんは思った


なんでなんだろう



なんで………
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