レンズのスガオ

「じゃ、あの、今日…あ。」

その関沢くんの目が彩とみぃの方を向いた。

「いや、あの、彩達先帰ってるからさ！！」

「うん！！じゃあ、明日ね♪ばいばーい♪」

「あ、じゃあ、あ、明日…。」

さかさかと急ぎ足で２人は行ってしまった。
はぁ。２人は気をつかったつもりなんだろうけど、私にしたらただ置いてかれた気分。

「えと、じゃあ、帰ろうか？」

「え、うん。」

関沢くんが歩き出した。
私は急いでついていかなければいけなかった。
この人、足長！！一歩の歩幅でかい！！

「えっと、家、どっち？てか、急に呼び止めてごめんね！！言葉の表現変だったし…なんかまじごめんね。でも、佐藤さんもおれと同じようにおもっていてくれていたなんて…なんかうれしすぎて変な感じするな。」

「いや、そんなことないよ？私はあの…入学式の新入生代表あいさつの時に、ちょっと気になってたし…授業の内容分かんなかった時もすごいわかりやすく教えてくれたし…。あ、家は…北区のマンションなんだけど…。」

「あ、まじで？！ほら、おれらってなんかビン底眼鏡だし、なんか共通点感じちゃって！！」

……。
薄々だけど、れおが出てきた。
そうか、学校を離れるまでの心棒だったわけですか。