レンズのスガオ


「あのね!!私そんなに暇じゃないんだよね。これから帰って課題と予習したいの!!け・ん・と・もそれは一緒だよね?!?!」

「そうだね、詩唯。その後もオシゴトが待ってるもんね。」

「そーう!!そういった諸事情を知っていてなおかつ私をからかうの?!」

「別にからかってるワケじゃないじゃん。」

コイツ…。
学年一位の成績を誇るコイツが何故こんなにも物わかりが悪い?!
早く帰りたい。

「……わかった。じゃあもう付き合うって事で良いから!!そのかわり、付き合うってのは、『けんと』と『しい』だから!!あと、さっき言った“諸事情”は極秘でね?!そっちは弱み握ったぜとでも思ってるんでしょ?!残念ながら、自分も同じ立場だということをお忘れなく!!じゃ、さよーなら!!また明日!!」

「明日からよろしくね♪」

喫茶店の中の他のお客さんに軽くにらまれる位大きい声と早口で言った。
少しだけスッキリしたってのはあるけど、なんだかあっちに丸めこまれた感じ。
てか、私が丸めこんだのか?

まぁ、どっちでも良い。
早く帰って予習と課題とオシゴトと。
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