レンズのスガオ
「……どうして、こんな仕事始めたんだろう、私。」
「おれも、ホントにわけわかんねぇよな。母親が被害くらった仕事就くなんて。」
一人暮らしを始めて間もないころ、今の仕事を紹介してもらい、“すみれ”が生まれた。
すみれは21歳で、とても愛想が良く、すぐに人気が出た。
初仕事はさすがに抵抗があった。始めたは良いけど、すぐに辞めると思っていた。
でも、仕事を辞める前に、貯金が底をついた。
この仕事なら、他の年齢を偽らなくても出来る仕事の何十倍ものお金が一度で手に入る。
……辞めるなんて、出来なかった。