夏の名前
夏の名前



―1996年、8月。


夏休みが始まって間もない頃。

突然、母ちゃんが言い出した。


「雅紀、父ちゃんと母ちゃんは夏休みの間、もう一度料理修業をして来ます。」



「ふ~ん…って、え!?」


「だから、その間は叔母さんの家にあずかってもらうね。」



抵抗はしたものの、

最後には父ちゃんの鉄拳をくらいそうになり、しぶしぶ諦めた。



そうして、あまりにも唐突だが、
弟は友達の家、
俺は叔母さんの家にあずかってもらうことになった。






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