夏、僕らは変わります。
「なんだよ、お前」
「なんで先に行っちまうんだよ!軽く探したじゃねーか」
「……そんなの下駄箱見りゃわかるだろ」
「あ、その手があったか……!!」

斎藤は1人でキレておいて1人で話を進めていく。

「つかなに、俺らできてんの?」
さっきの話を聞いていたのか斎藤は冗談まじりに言う。
「わけねーだろ」
僕はおどけた様子の彼を睨む。
本当にやめてほしい。

去年は最初の班が運悪く一緒になってしまってからずっと付きまとわれていたけど。
それもクラスが終わるまでの我慢だと思っていたのに。
また3年生になれば新しい奴に乗り換えるだろうと思っていたのに。
なぜこいつはこうも僕に寄ってくるのだろう。


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