夏、僕らは変わります。
嫌いな時間

教室へ帰ると、女担任の鮎川がプンスカと腕を組み、あからさまに僕を睨んでいた。

「最上級生が時間を守ることすらできねぇのか、オイ」
そして乱暴な声で僕を叱りつけた。

「……」
僕は黙ったまま席につく。

「なんだ、その態度は!」
そんな僕の態度が気に食わなかったらしく、さらに大声で怒鳴り出した。

別にさっきのところで謝ってみてもよかったんだけど。さっきまでのことで苛々していた僕は、それができなかった。

「別に……」
「あぁ?お前HR終わったら職員室来い!」
心の中でっチと舌打ちをし、僕はそれ以上関わられないよう、それからずっと下を向いていた。

今の世の中、なんだかんだの学園ドラマの見過ぎでフレンドリーな担任が良い先生だと勘違いしている輩が多い気がする。


言葉づかいは悪く、生徒は呼び捨てやあだ名で呼び、生徒の悩みにずかずかと割り込んでくる。


まさにうちの担任がそうだ。
自己満足で教師を続けているだけなのだ。




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