ミツバチ

あまりに女の子が集まり過ぎるのが、ウザい千歳は私の前の席に来ていた。


｢えっ!?｣

｢えっ!?じゃない…とぼけてもムダ！ハッチ沢渡くんを狙ってるでしょ…｣


｢もちろん♪だって～カッコいいもん｣


｢やっぱり…この間の逆ナンの子は？｣


｢あの子はあの子!!沢渡くんは沢渡くん!!｣


私は満面の笑みで答えた


そしてガックリと肩を落とす千歳…


すると…｢菜摘～｣と聞き覚えのある声で誰かが私を呼んでいる


声のする方を見ると、別れたばかりの元カレが廊下側の窓から顔を覗かせ手招きをしていた。


私は嫌々、立ち上がり元カレの方へ歩いた。


｢なに!?なんか用!?｣


｢ちょっと向こうで話さないか？｣


｢分かった｣


元カレと教室を後にして、階段の踊り場へ