ペットショップ MARIMO

目も開いていなかった3日前。しっとりしていた毛は、真っ白でフワフワになっている。

毛が刺さるんじゃないかと思うほどの、とても大きな目を見開き、『ミィー…』と鳴く。

そんな日の帰宅前。

いつものようにミルクをあげようと、さちを覗いた。

「…さち?」

血の気が引き、鳥肌が立つ。手のひらにはじんわりと汗が滲んできた。

仕事を終えて店内に入った時、カジがさちをすごく眺めてた。

怖くて目を逸らすことが出来なかった。

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