ペットショップ MARIMO
「何すんだゴルァ!」
『ガジャッ!』
寝ていたはずのさくらが驚くほどの俊敏さで爪を振り回し、ゲージが響いた。
左前足がゲージの隙間から飛び出している。その爪の先には葉瑠。
自分の掌ほどの爪が目の前で止まった。避ける暇はなかった。ゲージに救われたのだ。
「な、何今の…。あたし15センチなんですけど…」
声が震える。
立ち上がろうとするが、重心が定まらない。なんとかシンシの側に戻ってきた。