チョウクライロ伝説
「奈南!ばあちゃんのお使いはまだかい?」
土間でネコと遊んでる奈南に母親の声がきりきりと突き刺さる。
「早くしないとディサービスから帰ってくるぞ」
「は~い、今から行きま~す」
天然水ブームとやらで母親がばあちゃんにたらし込んだ元滝の水。何が長生きの水だ!自分の美容のために欲しいだけじゃん。
そう思いながらもちゃっかり自分の分まで汲んでくる奈南だった。
その日も鳥海山がきれいだった。まだまだ真っ白な鳥海山。奈南は地味な格好をして午後の農道を走らせた。お気に入りのマイカーはピンクのパジェロミニ。タイヤカバーは特製のキティちゃんバージョン。車内もキティちゃんグッズで埋め尽くされている。
「ハイカラな自動車だな」
ばあちゃんはいつも奈南の車を見るたびに言う。
10分もしないうちに杉林の合間に作られた駐車スペースに到着した。背負ったリュックには空の2リットルペットボトルが3本。
「5月前にもう2回は汲みに来ないといけないな」
5月になると黄金週間で帰省してきたエセ地元民がこの地に溢れる。しかもどこで誰が広めたのか元滝の写真を撮りにくる連中が増えた。地元の中学生たちが渓流釣り入門として皆ここで岩魚やニジマスに触れていった時代は過去のものとなった。
奈南は半メジャーが嫌いだった。
「ここは私たちの滝なのに・・・」
彼らが大挙して押し寄せる前に天然水をキープしておく必要があった。
クルマを降りた奈南はいつもと違う山の空気を察知した。
「何?なんかいつもと違うなぁ・・・」
曖昧な違和感を払拭して目的を遂行しようと歩き始めた奈南だったが・・・違和感が消えない。
杉の香りと生え始めたシダ類の放つ空気はいつもと変わりなかった。風が強い訳でもない。しかし山全体が何やらざわめいている。
奈南は急ぎ足で元滝に歩を進めた。
土間でネコと遊んでる奈南に母親の声がきりきりと突き刺さる。
「早くしないとディサービスから帰ってくるぞ」
「は~い、今から行きま~す」
天然水ブームとやらで母親がばあちゃんにたらし込んだ元滝の水。何が長生きの水だ!自分の美容のために欲しいだけじゃん。
そう思いながらもちゃっかり自分の分まで汲んでくる奈南だった。
その日も鳥海山がきれいだった。まだまだ真っ白な鳥海山。奈南は地味な格好をして午後の農道を走らせた。お気に入りのマイカーはピンクのパジェロミニ。タイヤカバーは特製のキティちゃんバージョン。車内もキティちゃんグッズで埋め尽くされている。
「ハイカラな自動車だな」
ばあちゃんはいつも奈南の車を見るたびに言う。
10分もしないうちに杉林の合間に作られた駐車スペースに到着した。背負ったリュックには空の2リットルペットボトルが3本。
「5月前にもう2回は汲みに来ないといけないな」
5月になると黄金週間で帰省してきたエセ地元民がこの地に溢れる。しかもどこで誰が広めたのか元滝の写真を撮りにくる連中が増えた。地元の中学生たちが渓流釣り入門として皆ここで岩魚やニジマスに触れていった時代は過去のものとなった。
奈南は半メジャーが嫌いだった。
「ここは私たちの滝なのに・・・」
彼らが大挙して押し寄せる前に天然水をキープしておく必要があった。
クルマを降りた奈南はいつもと違う山の空気を察知した。
「何?なんかいつもと違うなぁ・・・」
曖昧な違和感を払拭して目的を遂行しようと歩き始めた奈南だったが・・・違和感が消えない。
杉の香りと生え始めたシダ類の放つ空気はいつもと変わりなかった。風が強い訳でもない。しかし山全体が何やらざわめいている。
奈南は急ぎ足で元滝に歩を進めた。

