私だけの王子さま
「ちょうど良かった!今、相原さんが来てるの。」
ドクンッ!
「え…、相原が?」
「そう。って言っても、今帰るところだったんだけど…。
相原さんっ!!」
花梨さんが、手招きをしている。
それなのに、私は、なかなか足を踏み出せなかった。
どんな顔をして、出ていけば良いのか分からない。
ドクン…ドクン…
心臓の音が、次第に大きくなっていく。
委員長は今、どんな気持ちで立っているのだろう?
これ以上、気まずくなるのだけは避けたかった。
「相原さん…?」
なかなか動こうとしない私に、花梨さんが声を掛けた。
「…はい。」
私は返事をして、ゆっくりと、窓口へと近づいていった。
…いつまでも、このままではいられない。
どうせ、いつかは必ず、委員長と会うことになるのだから。
私は、緊張の色を隠せぬまま、花梨さんの隣に立った。
委員長が目の前に立っているのに、うまく顔が見られない。
「………あの…」
何から話せば良いのだろう?
私は、戸惑っていた。
そんな時、委員長の優しい声が、聞こえて来た。
「相原…久しぶり!」