緑の風がそよぐとき

暗くて海はよく見えないけど、波の音が気持ちよく聞こえてくる。

「こないだはごめんな」

倫太郎がぽつりと言った。

「えっ?」

わたしが横を向いたら、倫太郎は暗い海をじっと見たままだった。

「真琴の気持ち考えないで、彬兄のパスタがもう食べられなくなるとか言って」

そのこと気にしてたんだ。

倫太郎はわたしが彬兄を大好きなのを知ってる。
もちろん兄として大好きだって気持ちを。

「そんなこと気にしてたの?もう大丈夫だよ」

「いや、でも、その後話しかけても無視だったし」

それは、神社での出来事のせいなんだけど…。

自分でも半信半疑の出来事を倫太郎には何だか言えない。


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