緑の風がそよぐとき
彬兄への気持ちを知られたことへのショックなのか、その気持ちを知っていた倫太郎に秘密にしていた気持ちを肯定されたことへの安堵感でもあるのか。
だって、ずっと孤独だった。
知られてはいけない気持ちに気付いてから、ずっと隠してきた。
それは孤独を伴った気持ちだった。
誰にも言えず、悪いことをしているようで罪悪感も感じていた。
でも、それでも彬兄を好きだという気持ちの方が大きくて、無くすことなどできなかった。
そんな気持ちを倫太郎が知ることによって、認めてもらえたような気にもなった。
孤独から解放されたような、そんな気持ち。
だからと言ってどうにかなる訳ではない。
状況もわたしの気持ちもますます混乱しただけで。
わたしはその場にぺたんと座り込んだ。
「ごめん……」
倫太郎はそう言うと、かがんで、今度は優しくそっと抱きしめてくれた。
そしてもう一度
「ごめんな……」
って呟いた。