アクオー
どこから侵入しようかとウロウロしていると、突然声を掛けられた。

「おい!お前なにやってんだよ!」

しまったと思ったが、メガネを掛けた男は既に、僕の自転車の近くに立っていた。

逃げられそうに無い。

「いや、通りかかったら、スズムシが鳴いてたから・・・」

我ながら苦しい言い逃れだ。

今時期にスズムシなんて、居る訳が無い。

捕まる。
そう思ったが、メガネの男は意外な反応を示した。

「なに?スズムシ?ここで?本当に?」
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