アクオー
「え?どこどこ?まだ鳴いてる?」

そう言いながら、地面を舐める様にスズムシを探す。

「聞き間違えかも知れません」

「え?でも聞こえたんでしょ?居るんじゃないの?」

「うーん。一瞬でしたからね。この時期に珍しいなと思って、探してたんですよ」

いいぞ。辻褄は合う。

「やっぱり珍しいよね。俺は、まだ引っ越したばかりだから、この辺の事は分からないけど、この時期にスズムシは、やっぱり珍しいよね?うーん。珍しいなぁ」

メガネの男は、ブツブツと言いながら家に入っていってしまった。
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