アクオー
アクオーの織り成す幻想的な風景と、トミーの美しい横顔に見惚れているうちに、あっという間に時間は過ぎた。

メガネの男が母と呼ぶ黒い人形が、引き摺られて庭に出てきた。

それを見てトミーが言う。

「そろそろ終演ね」

「そうだね」

冷静に考えれば、恐ろしい光景なのだろう。

でも、僕にはまるでテレビドラマを観ている感覚。

テレビに映る悲劇は、さして悲しくも無い。

ただ、この先どうなるのかという好奇心。

それだけだった。
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