Monsoon Town
雨の中で衰弱して倒れていたひまわりを助けて、ソファーのうえで眠っている彼女の顔をこうして見ていた。

「几帳面だな、ひまわりは。

俺たちの夕飯の用意がしてある」

藤堂に言われてテーブルのうえに視線を向けると、確かに2人分の夕飯がそこに置いてあった。

テーブルを見ると、またひまわりに視線を向けた。

「――なあ、藤堂」

ひまわりの顔を見ながら、陣内は藤堂を呼んだ。

「何だ?」

「――俺とひまわりが出会ってから、もう何日経った?」

そう聞いた後で藤堂が黙ったのは、数えていたからなのだろう。

「たぶん、1ヶ月くらいじゃないのかな?

ひまわりを助けたのは、6月の終わりくらいだったから」

藤堂は答えた。
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