Monsoon Town
「そうか、もうそんなに経つのか」

呟くように、陣内が言った。

1ヶ月――時間の流れは、恐ろしく早いものだ。

自分の知らないところで、もうそんなにも時間が経っていた。

(けど、俺の心はあの日に止まったままだ)

自分の時間は、幼いあの日のままである。

あの日に止まったまま、時は刻まない。

自分の周りはものすごい早さで時間が流れていて、知らず知らずのうちに自分は大人になっていた。

「なあ、陣内」

今度は、藤堂が呼んだ。

「――お前は、何で彼女に“ひまわり”と名づけたんだ?」
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